私がリアリティーを感じた写真集、『家族の日記』 小倉英三郎(著)について投稿します。
私は最初、この写真集を見て、日常生活を切り取ったものという印象を受けました。
日常生活の写真に共感して「リアル」を感じたのかな、と思ったのですが、見ているうちに何かが違うという思いを持ちました。
この写真集は、癌で亡くなる奥さんの記録だったのです。
私はどうしても、作者のバックグランウンドやインタビューを受けて画面の表面を考えることが多いのですが、、その作者のバックグラウンドを知ることで、しっくりと来た部分があります。
二人の子供がすやすやと布団で寝ている写真。
自宅のベランダに干された洗濯物を、遠くから撮った写真。
奥さんのポートレート。
窓ガラスに貼りついた赤ちゃん、転がった奥さんのサンダルの写真。
それらの写真が、右下の年月日の数字の表記と共に、積み重なる生活を訴えてくるように思いました。
作者の方は、記録を続けることで、毎日を繋ぎとめたい思いがあったのではないかと思います。
そしてそれは私に、強いリアリティーを感じさせました。
同時に、日常の生活を考えるきっかけになる写真集でもあると思います。
2010年5月16日日曜日
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